毎日、数時間を横になって過ごすベッドや布団。
そこに潜む『アレ』にちゃんと目を向けられていますか?
今回のテーマはダニです。気づかないうちに寝具で増殖をするダニ。はたしてどのように対応すれば良いのでしょうか。詳しくご紹介いたします。
布団寝具に潜むダニとは?
毎日使う布団。布団には約10万匹のダニがいるといわれています。
人は寝ている間も代謝によってフケや髪の毛など、さまざまなものが布団の上に落ちていきます。
ダニはそのような人の代謝物が餌となって増殖をします。家の中にいるダニはヒョウヒダニ(チリダニ)やコナダニ、ツメダニなどがいます。その中のヒョウヒダニ(チリダニ)が最も布団に潜んでいるといわれています。
ヒョウヒダニにも『ヤケヒョウヒダニ』と『コナヒョウヒダニ』という2種類がいます。
これらのダニは通常、人に噛みついたりはしません。だからといって、そのままで良いというわけではありません。ダニがいると人には大きな悪影響を与えてしまいます。それはダニの死骸によるアレルギー反応(ダニアレルギー)です。
ダニアレルギーとは?
ダニアレルギーはダニの死骸や糞を吸い込むことによって引き起こされます。
アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎など、さまざまな症状の原因となります。普段は何事もないのに、布団に横になったり、寝ている時に鼻詰まりや目がかゆくなったり、くしゃみが出たりすることありませんか。それらはだにアレルゲンによるものかもしれません。
ダニアレルギーは成人だけでなく、小さな赤ちゃんにも影響を及ぼしてしまいます。
ダニが好む環境とは?
ダニは人間にとって心地よい気温と湿度を好みます。
気温は25度、湿度は60%がダニの生育環境として最適です。これは季節で例えると6〜9月。気温も高く、湿度も高い時期がダニの発生も非常に多くなります。
また、起床時にベッドメイキングを施し、布団をしっかりとかけた状態にしておくと、布団の中は湿度も温度も高いままで、さらにふけや垢、汗などもあるため、ダニにとっては過ごしやすい環境になってしまいます。
布団寝具のダニを退治するためにすべきこと
布団に住みつくダニを退治するために一般的に取られる方法は、布団専用掃除機などをかけて、ダニを吸い込んで除去する方法です。
ですが、その方法では死んだダニの死骸や糞などは除去することはできても、生きているダニを除去することはできません。
生きているダニにはしっかりと布にしがみついているため、掃除機の吸引力では吸い込めないのです。
ダニを除去するにはまず退治
ダニ対策の第一歩は、生きているダニをしっかりと退治することです。
退治しなければ除去することもできません。ダニは50℃以上の温度で20分以上、60℃以上の温度では数分あれば死滅します。
この温度まで上げることがダニ対策では重要となります。ではどのような方法でこの温度まで上げればよいでしょうか。ダニ対策としてとられる代表的な方法は次のものです。
- 布団乾燥機によるダニ対策
- 日干しによるダニ対策
- アイロンのスチームによるダニ対策
- ドライヤーの温風によるダニ対策
それぞれでの方法と効果の有無をまとめてみます。
布団乾燥機によるダニ対策
布団乾燥機で布団の中に温風を吹き込み、ダニを退治する方法です。
布団乾燥機はホースを布団の中に差し込んで温風を送るタイプや、温風が通る袋を布団の間に挟んで温めるものなど、さまざまなタイプが販売されています。
布団乾燥機でのダニ退治は直接的に温度を上げることができるので、一定の効果はあると思います。ですがダニは温度の高いところを避けて、低いところに避難してしまします。
そのため、表面をやったら、すぐに今度は裏面を温め、ダニの逃げた側もしっかりと行う必要があります。
また、たった一度で劇的な効果が得られるものではありません。
朝と晩、1日2回を数日間実施して、ある程度の効果を得られます。さらに布団乾燥機にはダニ対策モードがあるものも多いですが、一度の稼働が60分〜数時間と長時間を要するため、根気も必要です。
日干しによるダニ対策
ダニ対策でもっともイメージしやすいのが日干しをする方法かもしれません。
太陽の光でダニを退治する方法です。ですが実は、この方法はほとんど効果がないといわれています。夏の暑い日でも気温は35℃程度。
黒い袋などに入れることでより温度を高めることができますが、その対策を講じて布団に日差しを当てたとしても、ダニ対策となる60℃以上まで上げるのは難しいでしょう。
アイロンのスチームによるダニ対策
100℃以上の温度を放つことができるのがスチームアイロンです。60℃がダニ対策の目安温度ということを考えると、それ以上の温度をあてることができるので、一見効果がありそうです。
ですがアイロンをあてることでマットレスや布団の生地を傷める可能性があります。たとえばウレタンフォームは、ウレタンゴム自体の耐熱限界温度が100℃、耐熱安全温度が80℃ということを考えると、同等温度が素材の変質をおこさずに温度を上げられる限界であると思われます。
当て布などをしてダメージをケアしながら行ったとしても、広い布団の面積をアイロンでケアする労力などを考えると、あまりおすすめできる方法ではありません。
ドライヤーの温風によるダニ対策
家庭用のドライヤーは吹き出し口近くで温度を計測すると100℃近い温度になるといわれています。
この温風を活用してダニ対策はできるのでしょうか。放つ温度だけを考えると、できそうな気はしますが、実際はほとんど効果がないと考えて良いでしょう。理由として、
- 100℃の温風が温められるのは表面程度
- ダニは温度の上昇を感じると低い方に逃げてしまう
- 広い布団の面積でダニ対策をするには、非効率
以上の点から考えてもドライヤーでのダニ対策は難しいでしょう。
最も手軽で効果的な寝具布団のダニ退治は?
これまで挙げてきた中で、最も効果が見込めるのは布団乾燥機によるダニ退治です。
時間はかかるものの、広い面積を一度に対策できるので、効率も良いでしょう。布団乾燥機と同じ効果を出せるものとしてオススメなのは、コインランドリーの乾燥機です。
家庭用よりも大きく、出力も高いため、より高温での対策をはかることができます。
ですが、マットレスは入れることができないため、かけ布団や枕であれば、効率的にダニを死滅させることができます。
また、羽毛布団などのようにデリケートな寝具もコインランドリーの乾燥機は使えないと思っておいた方が安全でしょう。
死滅したダニの除去は洗濯と掃除機が最適
退治したダニはそのままだとアレルギーのもとになってしまいます。
しっかりと除去する必要があります。その際、効果的な方法は洗濯と掃除機です。
シーツや取り外しできるマットレスカバーなど、洗うことができるものは洗濯をすることでダニの死骸や糞をほぼ除去することができます。
洗濯することができないマットレスなどは、布団専用掃除機などをゆっくりとかけていくことで、死骸や糞を除去することができます。
いかがでしたか。布団のダニを完全にゼロにすることは難しいですが、しっかりとしたケアをすることで、ダニアレルゲンを極力少なくすることは可能です。
気になる方は週に1回程度、布団を乾燥機にかけたあとに掃除機をかけるなど、定期的に続けることでダニ増加の予防にもつながります。
また、ダニは高い湿度を好むので、除湿効果のある除湿シート(現在は防ダニ除湿シートもあります)などを使うのも防ダニ対策につながります。しっかりと取り組んで、快適な睡眠環境をつくってみてください。
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